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「大人が信じられないなら、あたしが信じさせてあげるしかないね。任せてよ。」(先生はいらないという2年3組の生徒たちを前にして)

クラス全員相手にドッジボールは、さすがにきつかった。初日から手痛い歓迎、って感じだね。右手もまだ痛んでるけど、2、3日で直ると思う。

でも、あたしは、この痛みを、あの子たちの心の痛みだと思って受け止めたいんだ。2年3組に何があったかはわからないけど、生徒たちが大人を憎んでるのは、心に深い傷を負ってるからだと思う。だから、わたしがやらなきゃならないのは、その傷を癒して、あの子たちに人を信じることの大切さを教えることなんだ。

人を信じることって生やさしいことじゃない。疑う気持ちを抑えられなくなるときもあるし、裏切られて傷つくことだってある。でも、だからって人を信じるのをあきらめちゃいけないんだ。誰も信じない人は、きっと誰からも信じてもらえない。2年3組の生徒たちだってそう。あたしが信じ続けなきゃ、あの子たちが信じてくれるわけがないものね。だから、どんなに無視されたって、あたしはみんなから目をそらさないで、真っ正面から向き合うよ。

今日、渡辺くんは、あたしを「先生」って呼んでくれた。それは、あの子があたしのことを信じてくれたからだと思うんだ。小さな一歩かもしれないけど、あたしにとっては大事な第一歩。それだけで、明日もがんばろうって気になれる。少しずつでいい、こんなふうにみんなに信じてもらえるようになったら、すばらしいだろうね。

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