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「えらいね。自分も怖い目にあったのに、他のだれかのこと思いやれるなんて。」(直輝のためにノートをまとめる茉莉に向かって)

一年前のあの事件以来、白井くんも岡沢さんも学校に来れないままでいた。でも、岡沢さんは自分でも苦しい思いと戦いながら、白井くんのことを思いやるのを忘れなかった。それは、あの事件のときに学級委員をしていたっていう責任感からだったんだね。2年3組の生徒たちを裏切った三井恭平にはそんな気持ちはカケラもなかった。自分が助かりたいばっかりに、子供たちから食料を奪って、ひとりで山を下りてしまった彼とくらべて、岡沢さんはなんて強い責任感の持ち主なんだろう。

「教師に、生徒のために命を投げ出す義務があるんでしょうか?」三井恭平は、そう言って開き直った。今、あいつに会えるなら、あたしは言ってやりたい。岡沢さんの強さを見ろ、って。不登校だから、弱い人間だってわけじゃない。白井くんが学校に行けるようになるまで、自分も学校には行かない。そんな強い責任感が、彼女を不登校にさせていたんだ。でも、そういう強い気持ちはきっと伝わる。だって、こうして白井くんと岡沢さんは、また学校に来ることができたんだもの。2人の笑顔を見て、あたし、涙が出るくらい感動しちゃったよ。

2年3組もようやく全員そろった。まだまだ溝は深いかもしれないけれど、これでまた一歩みんなに近づけたよね。あたし、ますます燃えてきたよ!

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