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「みんなはもう1年前のみんなじゃない。ちゃんと一歩前に踏み出せたんだね。1年前の事件に自分たちの力で勝ったんだね。あたし、すごくうれしい。えらいよ、みんな!」(立てこもりをする2年3組の生徒たちに向かって)

立てこもったみんなに呼びかけながら、あたしはこの学校に来たばかりのときのこと、思い出してたんだ。みんな、出席を取っても返事してくれなかったし、口々に先生はいらないって言ってたよね。ドッジボールのときなんか、クラスのみんなが敵だった。ちょっと前のことなのに、まるですごく昔のことみたいだよ。

もちろん、あんなふうに教室に立てこもったりすることは許されることじゃない。たとえ、直接には暴力をふるってなくたって、脅迫だってひとつの暴力なんだから。

でも、みんなが自分たちの思いを伝えようと必死だったことはわかってる。1年前の事件のせいで、学校のことなんかぜんぶあきらめちゃったように見えたみんなが、自分から意志表示できるようになった。そのことは素直にうれしかったんだ。今回はこんな手段に訴えることになってしまったけれど、これからはもっと正しいやり方で自分の気持ちを表現できるようになるはずだよ。ようやく1年前の事件に区切りをつけて新しい学校生活を始めることができそうだね。あたしもやっとみんなの担任として認められたっていう気がするんだ。みんなが心を開いてくれたんだから、あたしも、もっともっとがんばらなくちゃね!!

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